全国の恋人たち(24) 北陸にいる恋人たち
富山の恋人
大阪の恋人に端を発する、王道の長登屋路線を進んでいる恋人。白地に青文字、県内の名所、名物の単色イラスト、「I love you❤︎」の各県方言、どれも共通の要素だ(ちなみに、長登屋系恋人の元祖とでもいうべき大阪の恋人には「めっちゃ好きやねん❤︎」と書いてあったが、ここには「好きでならんちゃ❤︎」とある)。イラストは雷鳥と合掌造りの家。恋人によっては、四隅の囲み罫のあたりに名産品を入れ込んでくる場合もあるが、ここには存在していない。ほかに入れるものがなかったのか…と考えると悲しい。入れるとするなら、ホタルイカとか海産物なんだうか。いまのデザインは海の要素が全然ないな。
裏のデザインは、他の長登屋系恋人とまったく同じもの。
だが、販売者は長登屋ではなく、中島商事というところ。本社と富山支社をわざわざ列記してるのがちょっと謎。
なかのクッキー、外見も味もほかの長登屋系恋人と同じものだった。箱見るだけで想像できるのだけれど、本家よりも味は落ちるのでがっかり感は否めない。
金沢の恋人
こちらも長登屋系のフォーマットに則った恋人。金沢は観光地として引きがあるからなのか、イラストがカラーになっていてお金をかけているようだ。金沢城、兼六園に、桜や紅葉など季節感も盛り込まれていて隙がない。
販売者は安田屋製菓。このページを見ると長登屋には金沢に拠点あるようだけれど、販売者は長登屋ではなかった。安田屋製菓はここを見ると「ひっぱり餅」がメインの会社のようだが、OEM商品も作っているようなので、この恋人はOEMということなのだろうか。
ただフリーダイヤルの番号は他地域の恋人と同じものだった。生産した場所で分かれているというわけではないようだ。
ここから先はほぼ同じ。
金沢だから金箔入れたいとこだけどもちろん入ってない。長登屋系恋人は、この土地だからこの味で、みたいな要素はあまりない。例外が京都の恋人や福岡の恋人とかだろうか?
能登の恋人
石川県は能登にも長登屋系の恋人がいる。イラストは多分輪島の朝市と見附島。観光地要素はたっぷりの絵だ。四隅にほかの名物のあしらいもなく、若干手を抜いている感は否めない。この恋人には「I ❤︎NOTO」とあって、金沢の恋人の「I ❤︎KANAZAWA」と同じパターンになっている。石川県に2人恋人がいるなら、片方は富山の恋人みたいに方言バージョンにしたらいいのに。
販売元も金沢の恋人と同じなのだから。
はい、なかは全く同じーーーー
頑固なまでの変わらなさ…。いや、これがおいしければ文句はないんですよ。ただ…
加賀の恋人
石川県は恋人の人口密度が高いところで、金沢と能登のほか、加賀にも存在している。
販売しているのは御菓子城加賀藩というところ。表のパッケージでは、会社名だけ金箔で印刷されていた。長登屋系の恋人には、金沢らしい金箔的なあしらいがなかったので、そこは評価できる。
この御菓子城加賀藩は、単なるお菓子メーカーではない。本当に城っぽい建物を建てて、そこでお菓子を売っており、さらに日本折紙博物館とかを併設させて、一帯を観光施設化しようとしている。
包装紙をはがしたところ。
15個入りだ。
恋人のルックスはこのような感じ。ラングドシャではなく、ウエハースを重ねたビックリマンチョコ的な恋人だった。味もビックリマンと大差ない。本家以外のラングドシャ恋人のクオリティに食傷気味なだけに、特筆すべきことはないが好印象。
これを買うために御菓子城加賀藩に行ってみたのだけれど、ここで売っていた、恋人ではないお菓子をついでに紹介しておきたい。
加賀福
もしかして: 赤福
加賀藩の月
もしかして:萩の月
加賀の恋人のパッケージにはこう書かれている。
城下町三百年の歴史が数々の
伝統と美味なる和菓子を育てました。
古都加賀ならではの味と風情を
お楽しみくださいませ。
「歴史が数々の伝統と美味なる和菓子を育てた」「加賀ならではの味と風情」… こう言い切れる自信がすごい。
全国の恋人たち(23) まだ九州にいた恋人たち
この記事の続き。
佐賀の恋人
吉野ヶ里遺跡とか
ムツゴロウとかは
佐賀名物だとわかるとして、
熱気球って何だと思ってたら、佐賀は熱気球を売りにしようとしていたことをいま知った。
こういうイベントをやっていたのか。
全体のデザインは王道長登屋路線。
裏もほかの長登屋系と同じ。
だが販売者は東津商店というところになっていた。ただ販売者の印字はシール貼りで、デザインは長登屋系共通。
となるとこのへんも同じだね。
残念ながら味もいたってノーマルなホワイトチョコ。なんかこうムツゴロウをうなぎパイ的にお菓子に転用したりとかできたらいいのにね…。
鹿児島の恋人
鹿児島の恋人も長登屋系恋人のフォーマットに則ったもの。
鹿児島の名物は絵になるものが多いね。ハート以外は単色だけど、さまになっている。
裏のデザインはフリーダイヤルの番号も含め、長登屋系恋人共通のもの。
ただ販売者は長登屋ではなく、鹿児島ユタカ。
ここもすがすがしいほど変わらない。
味も共通。本家の白い恋人よりランク低いところで共通なので、食べ続けていると悲しくなる。
門司港の恋人
福岡県には福岡の恋人とは別に門司港の恋人が存在する。門司港レトロが観光ブランドを確立してるからなんだろう。
ここのイラストのところに文字が入ってくるのはこれまで紹介したなかでは初めてではないか?
ブルーウィングもじ-観光スポット/門司港レトロインフォメーション
イラストに描かれているこのへんが「恋人の聖地」に選ばれているため、わざわざ文字を入れて(門司港だけに?)アピールしてるのだろうか。しかしこの「恋人の聖地」も
恋人の聖地、全国いろいろ選定されているようなのだが(2018年5月現在139カ所)、なんというか…誰が望んでいるものなのか考えてしまう。
これも連絡先含め同じデザイン。
販売者はにたはら食品。このあとに個人名があるのは社長の名前なのだろうか?
まあ当然このへんも同じで、
味も見た目も基本形に忠実なものだった。
ゆふいんの恋人
大分県は大分の恋人も別府の恋人も見つけられなかったが、この恋人がいた。
温泉ぽいのはここだけ。
ここは辻馬車の絵だったりする。もうひとつは由布岳だし。由布院は温泉にちなんだランドマークがないからこうなるのだろうか。例えば草津の恋人はこうなっていて温泉押しに余念がないのだが、由布院は草津と違って、街並みの雰囲気だけをアピールポイントにできる大人の余裕を感じる。
長登屋がからんでいると思われる恋人たちとパッケージは同じだが、販売者は長登屋ではなく、だるまやというところ。
このへんも同じだけど…
なかも同じで…
チョコの味含め、全く同じだった。悲しみは募るばかり。