全国の恋人たち(28) 再びどこにもいない恋人たち

これまで紹介してきた恋人たちは、その土地土地の名を持ち、土地の記憶と深く結びついていた存在が多かったが、ここに紹介する恋人たちは、どこにいるのかわからない、あるいは土地に縛られない恋人たちだ。

トロピカルな恋人

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残念ながら通販サイトで出会った恋人なので、普段はどこにいるのかわからない。日本国外にいるのだろうか? それとも沖縄か、はたまた九州の南のほうなのか? 全体のデザインは、本家・白い恋人ではなく、大阪の恋人を源流とする長登屋系フォーマットを踏襲している。文字やイラストの配置、I ❤︎〜、〜 no koibito、謎の英文などが共通だ。

これまであまり触れてなかったが謎の英文の部分は

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It is fit sweets in memories of travel. Everyone must eat sweets. It is very pleased. It is a present from Tropical.

と書かれている。訳は「旅の思い出にぴったりのお菓子。みんな必ず食べるはず。 とても喜ばれてます。これは熱帯からのプレゼントです」な感じなのだろうか? ほかの恋人も

富山の恋人

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鹿児島の恋人

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宮城の恋人

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と、最後の「from 〜」の地名だけが変わって同じ内容が書かれている。全国にあまたある恋人系のお菓子の本家というかルーツは白い恋人だと思っていたが、もはや本家とは長登屋が販売している恋人のことなのかもしれない。長登屋のルールで新しい恋人がつくられていく。

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トロピカルな恋人に戻ってパッケージ裏面。表もそうだったが、パイナップル押しが強いな。ところで、この恋人の名前はトロピカル「の」ではなくトロピカル「な」恋人なのだから、必ずしもトロピカル=熱帯にいる恋人というわけではなさそうだ。北極にいるけど、トロピカルな雰囲気出てるからOKだよね!みたいなノリで。ただ、裏面には連絡先のフリーダイヤルが記されてたりする。この番号はほかの多くの恋人たちにも共通のもので、やはり日本のどこかにいる恋人のようだ。

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と思って販売者を見るとヘソプロダクション!この会社は、以前販売中止がニュースになった、セレッソの恋人を販売しようとしていたところだ。

nlab.itmedia.co.jp

先日書いたこちらの記事を参照してほしい。

terrortwilight.hatenablog.com

トロピカルなのだから南のほうの恋人なのかと思ったが、ヘソプロダクションが関係しているということであれば、大阪に潜伏している恋人なのかもしれない。

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箱に直接プリントされておらず、包装紙を外すと白い箱が出てくるパターン。

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箱を開けた後のこのへんの見た目はほかの恋人と変わらないのだが、トロピカルなだけあって、中のチョコはパイナップル味だった。色の違いは写真ではわかりにくいが、パッケージと同じ色っぽい。個包装を開けるとパインの香りがちゃんとする。味は人工感控えめでよい。

妖怪の恋人メンズ

妖怪ウォッチとコラボしている恋人。名前には「メンズ」とあるが、メンズではない妖怪の恋人はすでに存在している。

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これは以前紹介済みだ。特にレディースとの記述はないが、女性をモチーフにした妖怪がフィーチャーされている。メンズのほうはどうかというと、

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こんな感じだ。

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ジバニャンは側面での登場。もっともポピュラーなキャラクターであろうジバニャンがここにしかいないというのは、メジャー感をあえて外したこだわりがあるのだろう。

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ほかの場所も所狭しと妖怪たちが登場している。よく見ると

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販売者はナガトヤだった。なのでこれも長登屋系恋人の流れをくんでいる恋人だ。

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さきほどのトロピカルな恋人もそうだったが、包装紙を取るとただの白い箱なのが多い。そんななか、この恋人はリボンの絵が描かれたクリーム色の箱でちょっと意外。妖怪の恋人のレディースのほうは白い箱だったし。

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長登屋系だが、ちゃんと個包装もバリエーションがある。そのうえ、「お客様にお願い」のメッセージまで入っている。

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「楽しいご旅行の想い出話を語りながらご賞味頂ければ幸いでございます」…いやこういうお菓子に入れるメッセージの共通のフォーマットがあるんだろうけど、文章変えずに入っていると、この恋人では違和感が拭えない。いろいろサービス精神に富んでいるのはわかるのだが。

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中身はレディースと同様、クッキーに妖怪のプリントがある。これはいつもと顔が違うけどウィスパー。

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欠けてるけどフユニャン。

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これはキュウビ。クッキーボロボロだな。

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これはぬらりひょんぬらりひょんといえば、どうしてもゲゲゲの鬼太郎に出てくるじじいの印象があるから、これを見るとギャップを感じてしまう。

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これは土蜘蛛。妖怪ウォッチは、トラックにひかれた猫が妖怪になったジバニャンとかに混ざって、土蜘蛛みたいな、能とかに出てくる由緒正しい妖怪が出てくるのが興味深い。

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これはエンマ大王が人間に化けたときの姿。エンマ大王もぬらりひょん同様に青年っぽいキャラクターになっている。

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これは大ガマ。これも土蜘蛛同様由緒正しい妖怪な感じ。妖怪ウォッチのアニメでは土蜘蛛のライバルという設定。

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これはKJ。コマじろうという妖怪が、都会に染まってBボーイファッションでクラブに出入りするようになったときの姿。これ知らない人が読んだら全然わけがわからん設定だな…ただ彼が出てくる妖怪ウォッチのアニメのエピソードは面白い。

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これは主人公のケータだけど、これもいつもと顔が違って劇画タッチ。

この箱に入っていたのは上記のキャラしかおらず、後は絵柄がダブっていた。味はほかの長登屋系恋人と同様。クッキー表面にプリントされているだけ。

全国の恋人たち(27) 複数形の恋人たち

各地の観光地にいる恋人は、本家の白い恋人をはじめ、「自分が旅行先で偶然出会った運命の人」みたいな設定があると思っている。だが、特定の誰かではなく、複数になっている恋人も存在する。複数形になると、自分が出会った恋人(になる人)というイメージでなく、旅先で仲睦まじいカップルを見かけましたよというような意味合いに変わって、なんというかロマンティックな要素が少し欠けて味気なくなる。

これまですでに紹介済みなのは

北の恋人達

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運河の恋人達

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静岡の恋人達

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黒部の恋人達

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天橋立の恋人たち

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とかだ。

ここではまだ紹介してなかった複数形の恋人を取り上げたい。

白い恋人たち

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意外と直球スレスレを狙った恋人。ネーミングが似ていても、ラングドシャクッキーでなければ裁判もせず黙認するみたいなルールがあるのだろうか?パッケージは、80年代リバイバルの流れで生まれたファンシーリバイバルぽさを感じるが、80年代からずっとこのデザインで売られてきた可能性も捨てきれない。スキーっていうのも、今となっては若干の古さを感じるスポーツではあるし。

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裏はこんな感じ。製造者は…

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新潟の浅草屋産業というところ。

www.asakusaya.co.jp

ここだ。残念ながらこの恋人は定番商品ではないっぽい。

定番商品のご案内 - 浅草屋産業株式会社

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 中身はシュガーコーティングされたピーナッツ。ラングドシャクッキーではなくて、おばあちゃん家の常備お菓子だった。ただちゃんと見た目が白いので、ラングドシャクッキーのやつよりも「白い恋人」にはふさわしいかもしれない。