富山の恋人
大阪の恋人に端を発する、王道の長登屋路線を進んでいる恋人。白地に青文字、県内の名所、名物の単色イラスト、「I love you❤︎」の各県方言、どれも共通の要素だ(ちなみに、長登屋系恋人の元祖とでもいうべき大阪の恋人には「めっちゃ好きやねん❤︎」と書いてあったが、ここには「好きでならんちゃ❤︎」とある)。イラストは雷鳥と合掌造りの家。恋人によっては、四隅の囲み罫のあたりに名産品を入れ込んでくる場合もあるが、ここには存在していない。ほかに入れるものがなかったのか…と考えると悲しい。入れるとするなら、ホタルイカとか海産物なんだうか。いまのデザインは海の要素が全然ないな。
裏のデザインは、他の長登屋系恋人とまったく同じもの。
だが、販売者は長登屋ではなく、中島商事というところ。本社と富山支社をわざわざ列記してるのがちょっと謎。
なかのクッキー、外見も味もほかの長登屋系恋人と同じものだった。箱見るだけで想像できるのだけれど、本家よりも味は落ちるのでがっかり感は否めない。
金沢の恋人
こちらも長登屋系のフォーマットに則った恋人。金沢は観光地として引きがあるからなのか、イラストがカラーになっていてお金をかけているようだ。金沢城、兼六園に、桜や紅葉など季節感も盛り込まれていて隙がない。
販売者は安田屋製菓。このページを見ると長登屋には金沢に拠点あるようだけれど、販売者は長登屋ではなかった。安田屋製菓はここを見ると「ひっぱり餅」がメインの会社のようだが、OEM商品も作っているようなので、この恋人はOEMということなのだろうか。
ただフリーダイヤルの番号は他地域の恋人と同じものだった。生産した場所で分かれているというわけではないようだ。
ここから先はほぼ同じ。
金沢だから金箔入れたいとこだけどもちろん入ってない。長登屋系恋人は、この土地だからこの味で、みたいな要素はあまりない。例外が京都の恋人や福岡の恋人とかだろうか?
能登の恋人
石川県は能登にも長登屋系の恋人がいる。イラストは多分輪島の朝市と見附島。観光地要素はたっぷりの絵だ。四隅にほかの名物のあしらいもなく、若干手を抜いている感は否めない。この恋人には「I ❤︎NOTO」とあって、金沢の恋人の「I ❤︎KANAZAWA」と同じパターンになっている。石川県に2人恋人がいるなら、片方は富山の恋人みたいに方言バージョンにしたらいいのに。
販売元も金沢の恋人と同じなのだから。
はい、なかは全く同じーーーー
頑固なまでの変わらなさ…。いや、これがおいしければ文句はないんですよ。ただ…
加賀の恋人
石川県は恋人の人口密度が高いところで、金沢と能登のほか、加賀にも存在している。
販売しているのは御菓子城加賀藩というところ。表のパッケージでは、会社名だけ金箔で印刷されていた。長登屋系の恋人には、金沢らしい金箔的なあしらいがなかったので、そこは評価できる。
この御菓子城加賀藩は、単なるお菓子メーカーではない。本当に城っぽい建物を建てて、そこでお菓子を売っており、さらに日本折紙博物館とかを併設させて、一帯を観光施設化しようとしている。
包装紙をはがしたところ。
15個入りだ。
恋人のルックスはこのような感じ。ラングドシャではなく、ウエハースを重ねたビックリマンチョコ的な恋人だった。味もビックリマンと大差ない。本家以外のラングドシャ恋人のクオリティに食傷気味なだけに、特筆すべきことはないが好印象。
これを買うために御菓子城加賀藩に行ってみたのだけれど、ここで売っていた、恋人ではないお菓子をついでに紹介しておきたい。
加賀福
もしかして: 赤福
加賀藩の月
もしかして:萩の月
加賀の恋人のパッケージにはこう書かれている。
城下町三百年の歴史が数々の
伝統と美味なる和菓子を育てました。
古都加賀ならではの味と風情を
お楽しみくださいませ。
「歴史が数々の伝統と美味なる和菓子を育てた」「加賀ならではの味と風情」… こう言い切れる自信がすごい。