全国の恋人たち(12) 東北にいる恋人たち
宮城の恋人
とりあえず独眼竜。このアイラブミヤギのフォントが戦国の感じ出しててしっくりきてる。
眼帯がハート。
政宗はここにもいるけど、左下の飾り罫にずんだというか枝豆がいる。
こっちも七夕飾りだけと見せかけて、こけしあり。
販売者は長登屋。正統派長登屋系だ。社名は一部の地域にあったカタカナでもなく、漢字。問い合わせ先も他の長登屋系と同じで、ハズしなし。
このへんは他の長登屋フォーマットと同じ。ずんだクリームとかいいと思うんだけど。
宮城の恋人(再び)
先日仙台に行ったら、別のバージョンが存在していた。
楽天イーグルス!独眼竜を押しのけてやってきた。以前、野球場にいる恋人についてまとめたことがある。
野球場にいる恋人たちは、どあらであったりベルであったりして、すでにネーミングから地名を捨てている。どこか出かけた観光地で不意に出会ってしまった恋人ではなく、球場に行かないと出会えない恋人なのだ。ところが、この宮城の恋人(楽天ver.)は球団のキャラを全面に出しながらも、宮城という具体的な地名を残していて、宮城のどこかで出会える恋人というようなロマンティックな要素を残している。
えーっと、こちらが女の子?クラッチーナ。
で、こっちがクラッチ。
マスコットキャラクター | 東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト
これによると、
英語の「クラッチ」は「わしづかみ」を意味する。勝負強いチームとなり、「みんなの心をわしづかみにして欲しい」との願いが込められている。
とのこと。あー鷲ね…。そういえば、以前の宮城の恋人にもあったずんだやこけしは健在だ。あと、ちゃんと©Rakuten Eaglesとある。
©だけでなく、楽天野球団承認のシールも貼ってある。ここまでやっててクラッチ(クラッチーナ)の恋人にはしていない。クラッチの知名度の問題かな…?
販売者は同様に長登屋。
ということはここも同じ。
まあこのへんも。
味は残念ながら変わらず。いつもながら思うが、本家に比べるとどうしてもしっとり感に欠ける。
松島の恋人
恋人は県に一人しかいないというわけではなく、松島レベルであれば、宮城県でも別扱いになる。ハートにはカモメ。イラストは松島の風景だけでちゃんとバリエーションが出る感じ。さすが日本三景。日本三景といえばあとは天橋立と宮島だが、天橋立にはちゃんと恋人が存在している。宮島には今のところ恋人がいるのを確認できていない。恋人の聖地はあるようなのだが。
ここもちゃんと長登屋だ。
個包装はちゃんと松島になっている。宮城の恋人と差別化を図るためか?
袋開けると全然変わらず。
秋田の恋人
見つけた秋田の恋人は大きいサイズだった。秋田は絵としてさまになる名物があるなー。
吉田戦車の「ぷりぷり県」。名作。ナマハゲは秋田出身のジョーのルームメイトという設定だった。
そして竿燈まつり。
ここも竿燈になってたりする。
販売者は秋田のかなえやというところだった。
味は他と寸分違わず。見た目を引く名物はあるが、チョコレートに混ぜられるような名物も必要だよね…。
つるおかの恋人
山形は鶴岡から颯爽とやってきた恋人。中身もそうだが外装の写真のあしらい方など、独自路線を貫いているところが素晴らしい。
ここの部分はシールとして貼られていた。菓子博…?
これのことだろうか?2017年は
こんな感じでやるのか。想像してたより大きなイベントになっているっぽい。
あと、菓子ポエムもあり。お菓子とポエムとの相性はいいようで、エロ本グラビアや新築マンション広告のそれとためを張れるような気がする。これまで紹介した恋人たちのなかでは、白塗りの濃い人がそうだった。
ここの地の鶴の扱いもなかなか趣あり。裏面によると、ここが製造しているところのよう。
外装の裏面。鶴がいっぱい羽ばたいてる。
包装を開けると箱は真っ白。
通販で購入したものだが、
小さな折り鶴が入っていた。これはちょっと驚く。
そういえば包装裏の内容量とかは手書きで数字が入っていたりする。ひとつひとつ心を込めて包んでますというアピールなのだろうか。
味は2種類ある。
こちらがアーモンド。
こちらはアーモンド+ゴマ。個人的にはゴマなしのほうがおいしかった。見た目はせんべいなんだけど、味はクッキーに近く、しっとりしている。
福島の恋人
福島の恋人の手抜き感はちょっと他の恋人より頭一つ抜きん出ている印象だ。「すんげー好きだぁ〜」も標準語にしか見えないし(イントネーションが違っているのかもしれないが、この字面だけではわからない)、左右対称の赤べこ(青べこ?)があるだけ。他の恋人は2つ名物を用意して右と左に配置している。べこだけなのか…?
と思ったら、かろうじて、左下の飾り罫にまぎれて桃がある。ちょっとほっとするのだが
右下は同じ赤べこがあった。使い回しっぷりが泣ける。
販売者は福島の長登屋。いや、福島にあるんだったらなんとかならないのかな。これが他の会社だったら、福島はわれわれの守備範囲ではないので手を抜きました…みたいな言い訳が立つのに。
このへんにもオリジナリティはなし。
いわきの恋人
だが、福島県にはまだ恋人がいる。福島って広いんだよね。
あれ????これは他県の恋人とも互角に戦える???
赤べこがかぶっていることを考えると、なぜ福島の恋人をわざわざ別に作ったのか理解に苦しむ。福島の恋人は何を出し惜しみしていたのだろう?福島市といわき市の覇権争い的なものがあるのだろうか?福島県は広いので、福島といわきはそれぞれ別の県みたいな感覚があるということか?
イラストも1色使いではなく、ちゃんと4色使っている。左は今回調べて始めて知ったのだが、波立海岸にある弁天島というところのようだ。左のハイビスカスは、フラガール→常磐ハワイアンセンター→現スパリゾートハワイアンズ→ハワイ→ハイビスカス(連想ゲーム長いな)ということなのだろう。いわき生まれの人に聞いたところでは、弁天島がいわきの代表格といわれてもピンとこないようだが…。
郡山と別にいわきの出張所があったりする。せっかく出張所があるなら…福島と別に作ろう!とやる気を出したのだろうか?
ただまあやる気は外箱までで、なかはまったく王道を外していない。味も含め。モモ味がいいよね、やっぱり。
で終えようと思っていたら、先日いわき出張所のさらなるやる気があるのを知った。だが長くなったので、それは改めて。
全国の恋人たち(11) 九州にいる恋人たち
福岡の恋人
「福岡」と「博多」をどのように両立させていくかについて福岡市民はずっと頭を悩ませていると思うのだが、ここでもまず福岡の恋人にするのか、博多の恋人にするのか延々と会議室で時間が費やされた(はずだ)。そこで福岡の恋人に決まったときに、では博多の立場はどうなるのか?と叫んだ人間が会議室にいた(はず)。
そうした折衷案がこう結実する。博多の屋台のイメージがちょうちんに託されているんですよ!とドヤ顔まで目に浮かぶようだ。確かに折衷案としては最適解だと思われる。
だが販売者は太宰府市の会社。
このフリーダイヤルは長登屋系の恋人で使われる定番の番号。
特に大きなアピールはないけど、チョコはストロベリー味。福岡といえばあまおうか。あかい、まるい、おおきい、うまいの頭文字から名付けられた品種で、いいことづくしのように聞こえるが、見た目はほかのイチゴより大きすぎるところがなんとなく怖い。甘くておいしいのは確かなのだが…。
あまおうは福岡だけでしか栽培していない、というのを売りにしているらしく、前にイチゴ農園の人から聞いた話では、なんでも「あまおうGメン」という人たちがいて、他地域であまおうを栽培して売ってないかどうかチェックしているのだとか。
黄実の恋人
黄色い恋人ではなく、黄実の恋人。ユア・ラバーに引っかけている。これは長崎にいた恋人だ。
ラングドシャクッキーじゃないのはわかるが、平戸夏香?ピールだから写真の果物のピールなのはわかるけど、
この絵の女の子が平戸夏香って名前のキャラなのか?
と思ってたら裏面に説明があった。拡大するとこれ。
地元の高校生からの公募で命名されたオレンジのようだ。「命名されたました」になってるな…。イラストの娘は平戸夏香なのではなくて、このお菓子を買ってくれるあなたの恋人ということなのだ。
販売者は善果園果実加工所 近藤重雄になっている。平戸夏香は、この果樹園のオリジナルの品種のよう。
箱の中の小分けの包装も、ちゃんとひとつずつイラストやロゴが入っている。ところで、パッケージにも小分けの袋にも「ピンクリボン運動を応援しています」と書いてある。小分けの袋のほうには
イラストは平戸ピンクリボン創設者の大山和栄さん直筆です。
と書かれている。大山和栄は漫画家で、
1973年に週刊少女コミックでデビューして活躍した人。本人のホームページによると、2002年(平成14年)に乳がんの告知を受けて摘出手術をし、それをきっかけに乳がんの啓蒙活動であるピンクリボン運動を始めたよう。乳がんをテーマにした漫画もある。ウィキペディアを見ると、
2009年10月頃より癌が再発した事実を自らのブログに公表し闘病の記録を綴っていたが、2010年4月初旬自身のブログにて体調が急変したことを伝える記事を執筆していたのが最後の記事となっていた。その後同月に亡くなっていたことが判明し、同年6月に故郷である平戸市にてお別れの会が執り行われた
と書いてあった。
中はオレンジピールを砂糖漬けにしたもの。甘さよりも酸味が印象的。
熊本の恋人
王道長登屋系だが、入手できたのは大きいサイズだった。いつものは12個入りで、これは21個入り。くまモンを登場させながらも、意外とひかえめな使い方だ。そもそもくまモンの恋人でもいいような気がするが、それだと単なる雌熊か。
裏の番号はいつもと同様。
販売者はこの会社。観光みやげの卸売業者だった。
味はいつもの長登屋系で、いつも12個入りでも多すぎるのに、21個あると思うとつらい気持ちになる。
宮崎の恋人
これまでの長登屋系だと、アイラブ〜〜〜(地名)とか「とても好きです」の各方言バージョン(ばり好いとうと、いさぎい好いとるばい、めっちゃ好きやねん)が冠されていたが、これは「ロマンスイーツ」。これから恋人になるかもしれない人と旅先で出会う、というようなロマンティックな要素を入れ込もうと腐心した結果だ。
左下はなぜかモアイ。宮崎県の日南海岸にはモアイがあるのだ。
イースター島のモアイの修復に協力した日本企業が、そのお礼にモアイの複製許可を得て作成したもので、7体並んでいる。以前見に行ったときは
モアイ前の広場でハワイアンダンスを踊る集団のおばちゃんがいたのが印象深かった。
恋人のパッケージに戻ると、右下の絵は高千穂峡。というかよくみると囲み模様のところにニワトリがいる。改めて左下を見るとマンゴーもあった。四隅にちゃんと配置していて面白い。とりあえず入れられるものは入れたという達成感は伝わってくる。
これは鹿児島にある営業所が販売しているということか?宮崎の恋人なのに…。
裏も長登屋系王道。
挟まっているチョコがちょっと多いように感じるが、これだけそう見えただけだった。ほかは特に変わらず。
白から始まり、黒があって黄色があって次は赤。ただ、ラングドシャクッキーではない。というかお菓子ではない。
裏面にはちゃんと「赤い恋人は(株)秋山食品の登録商標です」とアピール。登録商標あるから私たちは堂々とやってますということだろうか。吉本興業は面白い恋人の登録商標の申請を却下された。長登屋も各地の恋人たちの登録商標を申請している。
3本入り。魚肉ソーセージのように見えなくもない。
にゅるっと出してみた。出しづらい。嚙んで引っ張り出したから、歯形がついている。
パッケージの裏面には食べ方レシピあり。
とりあえず刺身風にしてみた。両面を焼いてマヨネーズというのも気になる。サラダ感覚はちょっとピンとこない。
味はもっとピリッとしていてもいいように思うが、つまみとしてはバクバク食べてしまうな。