全国の恋人たち(4) 北海道にいる恋人たち
面白い恋人をめぐる吉本興業と石屋製菓の争いの和解条件のひとつに、面白い恋人は関西圏でしか販売しないというのがあった。白い恋人は (全国デパートの物産展を除けば)基本北海道だけで売っているから、住み分けされているということだ。しかし、あくまでもシャレの発想から生まれた面白い恋人と違い、最初から100%商売の発想で生まれた白くない恋人が、北海道でも売られていたりする。
私の恋人
まずは私の恋人。わざわざ北海道限定とうたってるところがチャレンジング。全国にライバルの恋人がたくさんいる時代はもっとチャレンジングだった。
製造者は北見鈴木製菓というところ。石屋製菓は札幌だから、ちょっと距離がある。だけどこれを買ったのは札幌駅すぐそばにある札幌ら〜めん共和国だったので、あまり関係がない。
個包装は長登屋系と違い、本家と似てる印象。本家はどうなっているかというと、
こうですな。ロマンチック路線というか。
長登屋系よりも大きい。本家よりもクッキーが厚いかな?
手造りアピール。こういう商品が手造りであってもあまり評価ポイントにつながらない気もするのだが…。うちは大手と違って手造りです!ということか。
すでに「白い恋人 ブラック」というのが本家の石屋製菓から出ているのだが(中のチョコレートが黒い)、白なのか黒なのか、曖昧にやり過ごそうとする石屋製菓のやり方に反旗を翻したのが、黒い恋人だ。同じ道民として許せないものがあったのかもしれない。たぶん白いブラックサンダーにも同様の怒りを覚えているかもしれない。
販売者は札幌グルメフーズ。ここはほかにジンギスカンキャラメルを出している。そのあたりのことはここが詳しい。
詳しいどころか、黒い恋人の開発秘話まで書いてある。白い恋人を香港で売ることができなかったため、似たような商品がないかと聞かれた札幌グルメフーズが、「黒い恋人」という黒豆を売っていたJAあさひかわと組んで、黒豆を使った白い恋人似の商品を生み出したということらしい。
中はラングドシャクッキーではなく、とうきびチョコ。とうきびチョコはとうもろこしのポン菓子をチョコでコーティングしたもので、ほかのメーカーで出しているもののほうが有名。味は、黒豆なのか若干甘さ控えめのチョコがうまい。
全国の恋人たち(3) 関東にいる恋人たち
東京の恋人
お台場にある大江戸温泉物語で購入したため、寄席文字の大江戸温泉物語のシールが貼ってあった。プリン味。
箱の中は長登屋系。味が変わっても不変。
ここも同じ。
挟まっているチョコが若干プリン色?味は…言われてみればカスタードっぽい…?誤差で収まりそうな範囲だ。
千葉の恋人
基本に忠実な長登屋系。千葉は飛行機に海ほたるに菜の花か。シンデレラ城とかしれっと入れといてもいいような気がする。
このへんも言葉が出てこないほどド定番。
日光の恋人
これも長登屋系の定番。
このへんもまったく定番通りなのだが、日光の恋人には別バージョンが存在する。
日光の恋人 生クリームキャラメル
脈絡なく生キャラメルが登場。
これも販売者は長登屋。
なぜ日光で生キャラメル?日光はお菓子の競争が激しいからあえて生キャラメルを投入してる、とかなら分かるんだけど、別に日光は競争激しくなかったような?ラングドシャクッキーばかり食べてるとキャラメルがものすごくうまいような錯覚に陥る。普通の味だけど。
茨城の恋人
これも長登屋系。大阪の恋人はめっちゃ好きやねん、東京の恋人はあなたが好きだからだけど、千葉の恋人や日光の恋人はI♥IBARAKIとかになっている。方言に特徴がないところはアイラブ〜にしてるということか。印籠と三つ葉葵の紋しか書かれていない無機質な感じで押し通すところもすごい。
愚直なまでのストレートな長登屋系。
二次元の恋人
秋葉原にて購入。ロゴやリボンの処理、ハート型の窓などは本家に近い。
秋葉原の街並みも手を加えてある。そのまま使ってるわけじゃない。90年代までの秋葉原感が漂う。
たぶんこの娘にも設定があったりするんだろうけど、特に書いてなかった。
こちらはショコラパイ。パイをチョコでコーティング。独自性を保とうとしているのはわかるけど、コンビニで買えるお菓子の味を思わせる。
草津の恋人
日光なんかに負けません!という意気込みはあまり感じられないストレートな長登屋系。
わりと写実的にちゃんと書いてあるのが面白い。日光より勝っているのは、この湯畑とか湯もみのイラストが単色ではなくて4色カラーなところぐらいか。
ここもいいな。一瞬ミシュランマンがお湯につかってるとこなのかと思ったが(もしくは小便小僧的な何か)、これは単なる湯気なのか…。
群馬の会社ではなく、長野にある会社が販売していることになっている謎。
味も含めこのへんは日光などとほぼ変わらない。おいしさの方向にも進化してないんだよな…。