全国に散らばる恋人たちを紹介しているわけだが、そのどれもが本家のように白くない。大阪の恋人など、各地域に住む恋人たちは色を持っていない。ただもちろん、色を有する恋人もいる。これまで登場した恋人でいうと赤い恋人、黒い恋人、黄色い恋人(黄色いのはほかにも複数いる。神奈川のこれと山梨のこれ)、みどりの恋人…。また、白いけど恋人ではない人たちは
でまとめて取り上げてきた。今回は、白いわけではないし、かといって恋人でもない微妙な位置にある人たちを紹介しておきたい。
すすきの 黒い愛人
本家のお膝元である札幌にいたというのが意外な他人。面白い恋人は北海道では購入できなかったりするし(裁判の結果、関西でしか販売できないことになった)。ここまで違ってたら販売地域が被っていたとしてもどうでもいいということなのだろうか?
シルエットの愛人たちは
とか話している。以前紹介した黒い恋人(これも北海道にいる恋人だ)は、恋人だったけどたまたま色黒だったかなという程度だったが、これは腹黒そうな愛人の印象がある。ネーミングの設定に破綻がない。
パッケージ裏面。小さく読みにくいが販売者が記されていて、
そこには札幌旬彩堂とあった。ここは聞き覚えがある。白い森樹という白い他人の販売者と同じ。お土産お菓子の卸や小売をしている長野の会社タカチホの子会社だ。黒い愛人と白い森樹…本家・白い恋人からの絶妙の外し感がたまらない。
箱に直接プリントされておらず、包装紙を破ると真っ白。
中身。「よりよい品をお届けします」外見はともかく、中の品質には自信がありますというアピールだろうか?
お?中が黒い!これまで多くの恋人を紹介してきたが、ラングドシャタイプの場合、色が違うのは挟まれているチョコだけだった。クッキーの部分がこんなに黒いのはこの恋人愛人のみだ。そもそも黒い恋人はラングドシャクッキーではないし。本家は白い恋人ブラックという謎の恋人を出していたが、それも中のチョコしか黒くなかった。以下に写真を貼っておく。
黒いのは中のチョコレートだけ(それにしても本家といえる石屋製菓の恋人は他の恋人よりもチョコの量が多くて感動する)。禅問答の域に近づいているネーミングは、白いブラックサンダーと同じコンセプトではあるのだが、
白い恋人ブラックのほうが先だ(Wikipediaによると白いブラックサンダーは2010年からの発売)。ここですごいのは、白いブラックサンダーはシャレから生まれたものであるのに対し、白い恋人ブラックのほうはユーモア度ゼロというか、受けを狙おうとして生まれた恋人ではないことだ。
黒い愛人に話を戻す。この写真ではわかりづらいが、もちろん挟んであるチョコも黒い。クッキーが黒いのは何だろう?ゴマかな…と思ったけれど、特にゴマ味でもなく、原材料を見てみると、着色料(竹炭)とあった。
北国の旅人
恋人と名のつく食べ物なら何でもここで取り上げるかといえばそうでもなく、ある程度の境界線は引いている。例えば褐色の恋人のスジャータとか、お口の恋人ロッテのチューインガムは紹介してないし、この先紹介するつもりはない。多分ここに登場する対象としては、この恋人旅人が境界線上にあるのではないだろうか?絶妙な距離感の他人といえる。
右上にはSINCE1993とあるので、2011年に起きた面白い恋人訴訟騒動とは無縁なところから生まれていることがわかる。というか、誰も白い恋人に関連づけてないか…。
右下に「登録商標 3176250号」とあるのは、ウチは面白い恋人に端を発する恋人騒動とは関係ないオリジナルな旅人なんですよ的なアピールを深読みしたくなる。ただモンド・セレクションの最高金賞のほうはめちゃめちゃアピールしているな。あと、イラストの枯れ木の寒々しさがいい味。名前は一瞬スナフキンぽい印象なのだが、このビジュアルはそういうファンタジーぽさを廃したリアリズムを感じる。
こちらがパッケージ裏。製造者をチェックすると
サンワールドという会社が作っていることがわかる。
会社のページはないようで、地元の自治体のページで紹介していたが、この北風の旅人が会社の看板商品らしい。
包装紙をはがしたところ。
封入されていたリーフレットには「13年連続」とあり。外と1年ずれている。14年連続は2017年までの記録だったようだ。これ買ったのが2018年だったので、現在はどうなっているか気になる。
この見た目、ひんやり感ある!アイスっぽい。
でも中はウエハース。
恋人によくあるビックリマンチョコ系のテイストなのだが、チョコの存在感は薄めだった。