全国の恋人たち(42) まだいた海外にいる恋人たち

 恋人は日本各地にいるだけでなく、海外にもいる。以前紹介したのは、なんちゃって海外というか、単なる福島在住の恋人だったのだが

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今回はちゃんと海外在住の恋人を取り上げる。

黑色恋人

これは中国にいた恋人。白くない恋人はこれまでいくつか取り上げてきたが

中国にも存在していたのが驚きだ。「黑色恋人」の下に横文字が書かれているあたりも、本家やそれに派生する日本の恋人系と変わらないのだが、ここには「Black loviers Chocolate」とあり、本家の「CHOCOLAT BLANC ET LANGUE DE CHAT」や恋人系共通の「White Langue de chat」とは異なっている。これがそもそもラングドシャクッキーではないためでもあるが、「Black lovers」とほかより直訳的で、いまひとつ情緒に欠ける気がする。それとも英語とフランス語の印象の違いなのだろうか? だが、ステンシルっぽい恋人たちの絵が添えられていて、それはそれで調和が取れているかもしれない。

裏にも「甘栗・草苺巧克力」とあり、リアルな栗とイチゴとチョコレートの絵が添えられている。こういうストレートな見せ方は、観光地のお菓子というより、コンビニに置いてあるお菓子でよく見るやつだ。

生まれは福建省のよう。

中を開けると、薄紙が入っていてちょっと高級感を出そうとしている感じ。

こういう個包装。安っぽさはあまりない。

こっちが甘栗のほう。

中は白い。白いのが入っているが、それが栗なのか不安になる。あまりわからん。

こっちは色が違うがイチゴのほうか。こっちのほうが栗っぽくて、脳がバグるやつだ。

これは六花亭のやつとか、無印良品で見かけるチョココーティングのイチゴと同じような感じ。なのだがどちらも味は…。繊細さに欠ける、いわゆる「外国のお菓子」の味。

北海道の恋人

海外在住の恋人をちゃんと取り上げると言いつつも北海道…?なのだが、よく見てほしい。

その正体は台湾生まれの恋人だ。日式鮮奶精緻點心…日本の牛乳を使った点心ってことか。

箱の裏をひっくり返すと、縦組みから横組みに変わる。店舗でディスプレイする側にはうれしい親切設計。買う人には特にメリットはないが。

「原産地:台灣」とあり。ならば北海道とは一体…?

こっちには英語でいろいろ書いている。「Product:Lovers of Hokkaido-Cream Crisp Cookie」ってあるな。この時点でラングドシャクッキーではないことはわかる。

1本取り出してみる。

箱には「奶油酥餅條」とあって、DeepL翻訳だと「バターケーキスティック」とのこと。クリスプクッキーというよりは、バターケーキスティックのほうがしっくりくる。

うん、これカロリーメイトだな。

こちらは色違い。黒い。

ちなみに本家恋人を含む定番として、外国語によるメッセージ(ポエム?)が添えられていることがある。例を挙げるとこういう感じ。

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この恋人も同様で

Lovers of Hokkaidoとあり

Please enjoy special
various tastes.
It will bring you
delicious dreams.

の記載がある。delicious dreams=美味しい夢というのはちょっとロマンがある。

このへんは大体同じ。

黒いとポップな要素がまったくなくなるな…。お菓子としてどうなのかというところで、形状は墨にしか見えない。原材料のところにCocoa Powedersとあったので、ココア味なのか?黒ゴマとかならわかるのだが、ココアでこんなに黒くなるのだろうか。食べても何味かはっきりとわからない。匂いがほかと違うのはわかるのだが。

こちらはパッケージが緑。それはそうと、ロゴの下の絵、

北海道ってこんなイメージなのか?ヨーロッパすぎないかこれ?

このあたりもほかの2色と変わりない。

抹茶味だった。日本を代表するフレイバーとして入れてあるのか?そういえばカロリーメイトに抹茶味とかなかった気がするが、いかにもありそうなのに存在してないのはなぜだろう?

全国の恋人たち(41) まだいた白い他人たち

白くはあるが恋人ではない他人のことについてもう少し掘り下げてみたい。

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白いラングドシャ

パッケージにはくまモンがプリントされている。くまモンといえば、以前紹介した熊本の恋人にも登場している。くまモンのイラストは、それが熊本県のPRにつながるものであれば使用料は無料のようなので各社に使用されているようだが、白い恋人インスパイア系というべき、こんな狭いお菓子ジャンルでもくまモンかぶりしてしまうことに驚いてしまう。

販売者は夢粋匠というところだった。

「お客様にお願い」カードが入っていた。お客様相談室として連絡先が書いてあるが、これは熊本の恋人にあった電話番号と異なるので、同じ白い恋人を下敷きにしながらも、熊本の恋人(および大阪の恋人など全国に広がる長登屋系恋人)とは相容れないものであることがわかる。

これは意外とうまい。クッキーも大きいしチョコも多い(あくまで本家の白い恋人ではなく長登屋系恋人と比べて)。ホワイトチョコが濃厚だ。「熊本県産牛乳使用」とアピールしていただけある。チョコに自信があるから、量も自然と多くなるのかもしれない。他の恋人は自信ないから控えめにしか入っていないのだろう。本家の白い恋人や、これまで紹介してきたなかでは最もおいしいラングドシャクッキーだった白い針葉樹は、それぞれクッキーからチョコがはみ出していた。

はこだて白いクッキー

同じく白いので他人の範疇かと思い、ここに追加しておく。外見は函館アピールに忙しく、恋人っぽい要素は存在しない。他人なので。

問い合わせのフリーダイヤルは0120-223110と、長登屋系恋人にも多く使われる番号が使われている。

販売者、製造所ともに北海道ではあるが、製造は函館ではなく、小樽だった。表面には「函館牛乳使用」と書いてあって、地元産をアピールしているようだが、小樽で作って運ばれてるのか…。同じ北海道で雑にくくられるが、函館と小樽って車で4時間ぐらいかかる距離なんだけれども。

包み紙をはがすと何もプリントされてなかった。

開けるとこんな感じ。白くて小ぎれいな印象。

見た目はよさげ。表面はホワイトチョコでコーティングされている。

中にもチョコが入っていた。チョコの量がもう少しあるといいかも。バランス悪くて、外のクッキーのもさもさが気になるので。

函館白いチーズケーキ

函館には白いものがほかにもいた。

これも販売は函館の会社だが、製造は旭川の会社のようだ。

さきほど函館小樽間は車で4時間と書いたが、函館と旭川だと5、6時間かかるはず。東京から京都まで車でそのぐらいかかるんじゃないかと思うのだが、東京で製造した八つ橋を京都で売ってるようなものだ。

包装紙の下も真っ白。

16個入り。1つ1つは割と小ぶり。

写真を撮った後で気づいたのだが、表面が北海道の形になっていたのか。星の形としてはいびつだなーと思っていた。

こうすべきだったのか。積丹半島の出っ張りに、北海道企業のこだわりを感じる。

チーズケーキというか、蒸しケーキだった。ちょっと写真ではわかりにくいが、中にクリームが入っていた。クリームにチーズが入っているからチーズケーキと言い張ってるのだろうか?

はこだて白いプリン

もはやここまでくると恋人系といえるか疑問なところはあるが、函館の白いシリーズということでついでに紹介する。

「白い」と銘打っているだけあって、プリンはミルクプリンになっている。これも製造しているのは千歳にある田中製餡という別の会社だ。これにも「函館牛乳使用」とあるから、函館から牛乳を千歳まで運び、プリンを作ってまた函館に送ってる???

中にはちっちゃいスプーンが入っていた。

白いことは白いけど、普通のカスタードプリンより、ちょっと色が薄いかな?というくらいで、意外と白くない。あと、このサイズでスプーンがついてくるのはお得な感じがあるのだが、やはり食べづらい…。

北海道とろける白いクリームインチョコレート

もう何でもありな気がするのでこの勢いで追加しておく。

裏面にはかまぼこみたいな図があり、どういうお菓子か説明してくれている親切設計。

製造者はケイシイシイ。チーズケーキのルタオで知られる会社だ。

ただこれも製造は千歳となっている。

包装紙をはがすと出てきたのは牛柄の箱。どっちかというと、包装紙でくるまれていたほうが地味かもしれない。こういう遊び心がほしい。

開けてみた。写真にはないが、プチプチが上に敷かれていた。

銀紙に包まれていて、ちょっとグレードが高そうな感じがある。

さっきの図解で説明があったが、ミルクを入れる集乳缶の形をしている。いい形。1つ1つこの形なのが素晴らしい。ささやかだけど、こういうものを期待していた。大阪の恋人などの長登屋系恋人だと、中身はどれも同じになってしまうので、目新しいものがないと食べ続けるのが苦痛になることがある。

で、中にはさらにミルククリームも入っている。ミルククリームは粉っぽい気もするが、味は悪くない。全体的には細かいこだわりが感じられて好印象。

北海道 白いカスタード大福

さらに微妙なやつを追加。ラングドシャクッキーではなくて大福になってしまっているのだが、これも北海道を前面に押し出したもの。わざわざ赤い字で「北海道牛乳を使った」とあり、牧場っぽいイラストが真面目な感じで、味の期待をあおる。

これは裏面。

販売者を見ると大阪の会社で、営業所は神戸になっている謎。北海道らしいところがまったくなく、北海道押しの姿勢に若干の不安を覚える。

包装紙をはがすと真っ白。面白みはない。

中は袋で密閉されていた。

袋を開けてみた。

そういえば、白いカスタード大福のはずだがやけに黄色いな…。

カスタード大福なので、中にカスタードクリームが入っているのだが、それにしてもこのカスタードのまずさはなんなんだろう。菓子パンのクリームパンレベル?いやそれ以下か。北海道牛乳を使ってるアピールがむなしくなる。

白いわた雪

名前は間違いなく白い他人であるのだが、この商品名の字体や雰囲気は上品にまとまっており、本家白い恋人ではなく、同じく北海道の菓子メーカー、六花亭の商品を思わせる。

裏面。販売者をよく見ると…

長登屋だった。住所は郡山。ちなみにこれは福島で購入したものになる。製造は長野の会社だった。

個包装は銀色になってて、パッケージの上品さとは統一が取れている。銀色がまぶしい。

クッキー要素はなくて、ホワイトチョコだった。中のチョコレートが透けて見えてるところがいい。ただ「わた雪」だともっとふわふわした印象あるが、かなりソリッドな印象だ。chocolat(ショコラ)って文字が彫ってあるのはどうかと思うけど、売れそうなものを意識して作った心意気は感じる。

うーん、甘くはないが、パッケージに比べて上品さに欠ける味だった。