全国の恋人たち(14) 初恋に似た何か

初恋はじめました。(1) (講談社コミックスなかよし)

初恋はじめました。(1) (講談社コミックスなかよし)

 

ここに存在するのは恋人ではない。あるのはありし日の初恋の記憶のみだ。恋人ではないものを紹介するのにはためらいを感じるが、恋人を思わせる姿形をしているものに限って触れておきたい。

 

宮崎の初恋

 これはそもそも宮崎の恋人があって、それの派生形となる。宮崎での恋人との初恋の思い出を、どうにかして形のあるものにしたいという、祈りにも似た願望から生まれたものと言える。

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長登屋系の要素を使いつつも、形は正方形。宮崎の恋人は青を基調としていたが、こちらはオレンジに変えられている。通常「I♥︎〜〜(地名)」とか書いてあるところは、宮崎の恋人と同じく「宮崎ロマンスイーツ♥」になっている。

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大きな違いは、ホワイトラングドシャクッキーではないこと。ショコラクランチとある。

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名前も正確には「宮崎の初恋クランチ」になっているようだ。

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イラストがモアイと高千穂峡なのは宮崎の恋人と同様。四隅のマンゴーと(たぶん)宮崎地鶏も健在だ。

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裏面。長登屋系の恋人は箱に直接プリント、ビニールでコーティングしているものが大半だが、こちらは紙でくるんでいてコーティングがないパターンだ。

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販売者は九州産商株式会社。ただ鹿児島県の営業所の住所がある。宮崎じゃない…。

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包み紙をはがすと真っ白い箱で、

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個別のパッケージにはChocorat Crunch♥︎だけ書かれている。ここで恋人要素は消える。

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クッキークランチにホワイトチョコレートがかかっている。

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表面にほんのりかかっているくらい。味はすこしビターで、思ったよりも上品な味わいだった。

長崎の初恋

宮崎の初恋は、宮崎の恋人から派生したもの(誰かの想いが形を伴って現れたもの)だが、これは初めから初恋のみが存在している。対象となる相手は存在しない。

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長崎の教会をイメージしたステンドグラス風。長登屋系とは一線を画している。

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が、ラングドシャクッキーなのは同様。

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なかには

数多いおみやげの中より当社製品をお買い上げ頂きまして有難うございました

 と書かれたメッセージカードが入っていた。

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中身のクッキーだが、サイズは長登屋よりも一回り大きく厚め。だが本家はより大きく薄い。味も(長登屋系にも言えることだが)なんでこう本家と遠ざかってしまうのか不思議だ。

琵琶湖の初恋

すでに関西にいる恋人を紹介した際、うまい棒の恋人のなかのひとりだったのがこれ。もともとはこちらが先なのだけど。他の並み居る関西の恋人に混じって恋人面している、面の皮の厚さを感じる。

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見た目はスタンダードな長登屋系なので、別に恋人じゃなくて初恋でもいいのだが…。名前を変えた理由で考えられるのは登録商標の問題なのだが、ここを見たところでは「琵琶湖の恋人」「びわ湖の恋人」「びわこの恋人」については検索結果に出てこなかった。じゃあなぜなのだろう?

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いつもの長登屋系ではハートマークになっている部分が、琵琶湖の形をしている。ダメ押しでL❤︎VEの文字入りだ。しかし、琵琶湖って琵琶に形が似ているからそう呼ばれるようになったと聞いていたが、よく考えるとそのころどうやって湖の形を把握していたのか? 滋賀県が作った琵琶湖ハンドブックによると

 当初から琵琶湖と呼ばれていたのでなく、最初「琵琶の形に似たり」という字句が文献『渓嵐拾葉集』に登場したのは14世紀初頭のことである。それまでは琵琶湖のことを近淡海・淡海、水海、湖、近江の海、細波、鳰の海などと呼ばれていた。
 湖の名前が琵琶に典拠するのは、湖上に浮かぶ竹生島にまつられた弁才天である。弁才天はもともとインドのヒンドゥー教に登場するサラスバァーティーという女神で、弁才天・妙音天・美音天などと漢訳されている。弁才天は楽器琵琶をもつ二臂琵琶弾奏像で水を守る神、仏法を守る神としてインド、中国を経て奈良時代に伝教伝来とともに、日本に導入されたのである。
 弁才天の持つ琵琶が、どうして湖の形状に似ているといわれるようになったのであろうか。前出の『渓嵐拾葉集』の編述者は、比叡山延暦寺の学僧光宗であるが、おそらく眼下に広がる湖を日々眺望して、楽器琵琶から湖の形状を観想をしたに違いない。上空から見ることのできない時代に、驚くべき洞察力といえるだろう。

 延暦寺から見える一部の形から想像して…ということか。でも弁財天を祀っていたから、琵琶への発想は容易だったと思われる。

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これは琵琶湖遊覧船?

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こちらは琵琶湖大橋。東日本出身の人間としては琵琶湖といえば鳥人間コンテストなので、琵琶湖大橋は「越えられない壁」のイメージだけがある。スキージャンプのK点みたいな。

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長登屋ではあるのだが、社名だけでなく人名が入っているレアケース。

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裏面は長登屋系スタンダード。

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個包装は初恋バージョン。恋人だと個包装はKOIBITOと書かれた共通パターンなのだが、別仕様となっている。HATSUKOIでごまかすのではなく、しっかり「琵琶湖の初恋」と書かれているのは好感が持てる。

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中身は何のひねりもない長登屋系。