面白い恋人をめぐる吉本興業と石屋製菓の争いの和解条件のひとつに、面白い恋人は関西圏でしか販売しないというのがあった。白い恋人は (全国デパートの物産展を除けば)基本北海道だけで売っているから、住み分けされているということだ。しかし、あくまでもシャレの発想から生まれた面白い恋人と違い、最初から100%商売の発想で生まれた白くない恋人が、北海道でも売られていたりする。
私の恋人
まずは私の恋人。わざわざ北海道限定とうたってるところがチャレンジング。全国にライバルの恋人がたくさんいる時代はもっとチャレンジングだった。
製造者は北見鈴木製菓というところ。石屋製菓は札幌だから、ちょっと距離がある。だけどこれを買ったのは札幌駅すぐそばにある札幌ら〜めん共和国だったので、あまり関係がない。
個包装は長登屋系と違い、本家と似てる印象。本家はどうなっているかというと、
こうですな。ロマンチック路線というか。
長登屋系よりも大きい。本家よりもクッキーが厚いかな?
手造りアピール。こういう商品が手造りであってもあまり評価ポイントにつながらない気もするのだが…。うちは大手と違って手造りです!ということか。
すでに「白い恋人 ブラック」というのが本家の石屋製菓から出ているのだが(中のチョコレートが黒い)、白なのか黒なのか、曖昧にやり過ごそうとする石屋製菓のやり方に反旗を翻したのが、黒い恋人だ。同じ道民として許せないものがあったのかもしれない。たぶん白いブラックサンダーにも同様の怒りを覚えているかもしれない。
販売者は札幌グルメフーズ。ここはほかにジンギスカンキャラメルを出している。そのあたりのことはここが詳しい。
詳しいどころか、黒い恋人の開発秘話まで書いてある。白い恋人を香港で売ることができなかったため、似たような商品がないかと聞かれた札幌グルメフーズが、「黒い恋人」という黒豆を売っていたJAあさひかわと組んで、黒豆を使った白い恋人似の商品を生み出したということらしい。
中はラングドシャクッキーではなく、とうきびチョコ。とうきびチョコはとうもろこしのポン菓子をチョコでコーティングしたもので、ほかのメーカーで出しているもののほうが有名。味は、黒豆なのか若干甘さ控えめのチョコがうまい。