全国の恋人たち(15) 関西にまだまだいた恋人たち

京都舞妓さんの恋人

f:id:terrortwilight:20170205232344j:plain

京都の恋人というのは別に存在しているのだが、舞妓に特化した恋人がほかにもいた。他の恋人は大体青を基調にしているが、これは薄いピンクでちょっと上品さを押し出している。

f:id:terrortwilight:20170205232610j:plain

京都の恋人のキャッチコピーは「えろう好きどすえ♥︎」というI LOVE YOUの各地方言のパターンだったが、ここでは「またおこしやす♥︎」になっている。観光のために訪れた京都で舞妓さんと親しくなり、恋人のような感情を抱いたとしても、そこは舞妓さん、京都を離れ男についていくことはできず、あくまでも軽く「またおこしやす♥︎」と返して別れる情景が目に浮かぶ。

f:id:terrortwilight:20170205232401j:plain

梅のあしらいも(ほかの土地の恋人と比べれば)シックな雰囲気。

f:id:terrortwilight:20170205232351j:plain

正面の姿とバックからの姿、割ときっちり書き込まれた舞妓さん。

f:id:terrortwilight:20170205232725j:plain

販売者は関西だけにやはり定番の長登屋。ストロベリーパウダー0.45%とあっていちご味。福岡の恋人と同じだ。

f:id:terrortwilight:20170205233009j:plain

なかを見ると恋人系共通のデザイン。外の雰囲気が違っているので、なかもなにかほしかったのだが…。とはいえ、わたしのように各地の恋人を比較している人はいないので、普通は個包装がワンパターンなのかどうかは気にならないのだった。

f:id:terrortwilight:20170205233235j:plain

f:id:terrortwilight:20170205233321j:plain

なかはほんのりピンク色。もっとストロベリー味あってもいいかも。物足りないな。ストロベリーパウダーが足りないのだろうか?

和歌山の恋人

f:id:terrortwilight:20170527163015j:plain

これもすでに和歌山には白浜の恋人がいるのだが、別にいた恋人。

f:id:terrortwilight:20170531021209j:plain

こうした地にイラストあしらってるのはあまりないパターンだと思う。単色ではなく、ちゃんと実と葉で色を変えている。

f:id:terrortwilight:20170531021234j:plain

四隅のみかんのあしらいも面白いが、やはりここで気になるのはわかぱん。和歌山のパンダ推しは本当にすごいな…。和歌山には白浜の恋人とは別に、南紀白浜パンダの恋人というのもいる。いる上でこれが存在することに驚きを隠せない。

f:id:terrortwilight:20170531021241j:plain

こっちのわかぱんは船に乗ってる。このわかぱん、

https://www.wakayama-kanko.or.jp/renmei/wakapan/index.html

申請すれば無料で使用することができるらしい。

https://www.wakayama-kanko.or.jp/renmei/wakapan/pdf/various_wakapan.pdf

https://www.wakayama-kanko.or.jp/renmei/wakapan/pdf/various_wakapan.pdf

こんなのが用意されていた。ちゃんと温泉に入ってるのも船に乗ってるのもここから持ってきてる。有り物ってことね。

f:id:terrortwilight:20170527163116j:plain

販売者はカタカナの長登屋だった。ただ住所は大阪。和歌山にはないのか。白浜の恋人や南紀白浜パンダの恋人は紀伊観光物産というところが販売者だったので、和歌山の恋人が別にいるのはそこに理由があるのかもしれない。

f:id:terrortwilight:20170527163056j:plain

裏は長登屋系恋人共通のもの。フリーダイヤルも同じ番号だ。

f:id:terrortwilight:20170527163244j:plain

中は長登屋系恋人の定番デザイン。やっつけ仕事感があり、いつも悲しくなる。

f:id:terrortwilight:20170527164244j:plain

f:id:terrortwilight:20170527164313j:plain

みかんラングドシャということで、みかん味になっている。チョコはホワイトではなく、少し黄色い、カスタードチョコのような色だ。すっぱい感じではないし、しつこい味でもなく、イチゴやプリンなど、恋人系のスペシャルフレーバーの中では好感が持てる。ただ評価のハードルを下げているのと、同じ味にかなり飽きているからかもしれないが…。

大阪バナナの恋人

f:id:terrortwilight:20170124001943j:plain

面白い恋人に対抗して大阪の恋人をはじめとする全国の恋人を次々生み出したのが長登屋なのだが、その長登屋が作り出した全国の恋人フォーマットを踏まえてさらにひねった恋人がこれだ。もはやこれと本家・白い恋人を並べても似てる感は薄くなっているのではないだろうか。パロディのパロディのさらにパロディ。大阪のしたたか精神には頭が下がる思いだ。

f:id:terrortwilight:20170124002051j:plain

ラングドシャクッキーではなく、バナナまんじゅうだ。

f:id:terrortwilight:20170124002120j:plain

大阪の恋人など長登屋系の恋人は、キャッチコピーとして「めっちゃ好きやねん♥︎」の各地方言か「I ♥︎(地名)」と書かれているのだが、ここには「めっちゃバナナやん!」とある。この恋人が白い恋人面白い恋人、大阪の恋人のパロディに留まらず、東京ばな奈への関西からの回答であることを改めて思い知らされる。東京もんにバナナ菓子を独占されてなるものかという強い意志がみなぎっている(はず)。

f:id:terrortwilight:20170124002026j:plain

販売者はヘソプロダクションというところ。公式サイトを見てみると、

弊社は雑貨だけでなく、雑貨と菓子の融合企画会社=「雑・菓」企業として歩み始めます。

とか書いてあって、

www.heso-pro.com

www.heso-pro.com

とかを作っているようで、そういう方向でちゃんと筋が通っているところのようだ。

f:id:terrortwilight:20170124002948j:plain

包装紙にプリントしているので、包み紙をはがすと真っ白。

f:id:terrortwilight:20170124003209j:plain

開けると真空パックになっていた。

f:id:terrortwilight:20170124003429j:plain

f:id:terrortwilight:20170124003455j:plain

まんじゅうだ。

f:id:terrortwilight:20170124003529j:plain

 まんじゅうというか、なんかスイートポテト風の食感。個人的にはこのフェイク感、わかさいもを思い出した(サツマイモを使用せずに豆と昆布でスイートポテトを再現した精進料理のようなお菓子だ)。

www.wakasaimo.com

このバナナの恋人は人工的なバナナフレーバーなのだが、それほど悪くない。まんじゅうであんこなのがいいのだろうか。 

大阪ピーチの恋人

f:id:terrortwilight:20170527161614j:plain

上記で取り上げたヘソプロダクションは、バナナの恋人だけではなくピーチの恋人というのも出している。姉妹だよね、これは。兄弟じゃない印象だ。

f:id:terrortwilight:20170618132058j:plain

「ぴーちぴち」なんだそうだ。でも実際の桃ってぴちぴちってわけでもないんだよな。なかはぐじゅぐじゅだし。たまたま英語でピーチだったばかりにそうなっているけども。

f:id:terrortwilight:20170618132244j:plain

道頓堀を大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきて…。というやつだ。

f:id:terrortwilight:20170527161814j:plain

裏面。販売者にヘソプロダクションの記載あり。

f:id:terrortwilight:20170621012227j:plain

f:id:terrortwilight:20170527162031j:plain

包装紙をはがしたところ、白無地の箱だったのだが、写真を撮り忘れた。

f:id:terrortwilight:20170527162449j:plain

バナナの恋人同様、ラングドシャクッキーではなく、まんじゅうだ。形は大きい梅干しを思わせる。いや、(個人的にはあまりなじみがないが)甘食に近いか。

f:id:terrortwilight:20170527162505j:plain

なかは桃あん。桃ピューレを使用とパッケージに記載があった。味は和風な感じ。バナナの恋人の桃版なだけだが、バナナと比べると人工フレーバー感は少ないかも。

大阪のアモーレ

f:id:terrortwilight:20170527160158j:plain

ここまでくると、取り上げるべきなのか微妙なラインだが、大阪バナナの恋人、大阪ピーチの恋人と同じヘソプロダクションから出ている大阪のアモーレを紹介したい。

f:id:terrortwilight:20170626003205j:plain

アモーレなので、イタリア人の恋人のイメージだ。


[JT CM] 日本のひとときシリーズ 6篇まとめ 【公式】

いや、この人はイタリア人というかラテン人種な感じはしないのだが、あくまでこんなイメージで。イタリア人に憧れているだけで、バナナ、ピーチ、イチゴの3姉妹の末っ子であるかもしれないし。

f:id:terrortwilight:20170619011015j:plain

イタリア語の「アモーレ」に結びつくコテコテの関西弁。一見違和感はあるが、関西は日本のなかでも若干ラテン気質があるような気がするので、これはこれでいいのかもしれない。

f:id:terrortwilight:20170619011045j:plain

イチゴの種がハートになってたり。

f:id:terrortwilight:20170527160247j:plain

裏面。フリーダイヤルと販売者ヘソプロダクションの表記が、バナナやピーチと姉妹であることを証明している。

f:id:terrortwilight:20170527160408j:plain

これも包装紙でくるまれているパターンで、箱は白く、印刷はなし。

f:id:terrortwilight:20170527160441j:plain

ラングドシャクッキーでもなんでもなく、いちご蒸しケーキだ。蒸しケーキってスチームケーキって言うんだ…と新鮮に驚いてみたりした。

f:id:terrortwilight:20170527160959j:plain

f:id:terrortwilight:20170527161007j:plain

f:id:terrortwilight:20170527161023j:plain

3姉妹の末っ子なので、これもバナナやピーチのような人工フレーバー感あるのだが、甘さ控えめのイチゴクリームがちょっとだけなかに入っていて、いいアクセントになって美味しい。

 

 

全国の恋人たち(14) 初恋に似た何か

初恋はじめました。(1) (なかよしコミックス)

初恋はじめました。(1) (なかよしコミックス)

 

 ここに存在するのは恋人ではない。あるのはありし日の初恋の記憶のみだ。恋人ではないものを紹介するのにはためらいを感じるが、恋人を思わせる姿形をしているものに限って触れておきたい。

 

宮崎の初恋

 これはそもそも宮崎の恋人があって、それの派生形となる。宮崎での恋人との初恋の思い出を、どうにかして形のあるものにしたいという、祈りにも似た願望から生まれたものと言える。

f:id:terrortwilight:20160508163220j:plain

長登屋系の要素を使いつつも、形は正方形。宮崎の恋人は青を基調としていたが、こちらはオレンジに変えられている。通常「I♥︎〜〜(地名)」とか書いてあるところは、宮崎の恋人と同じく「宮崎ロマンスイーツ♥」になっている。

f:id:terrortwilight:20161105042600j:plain

大きな違いは、ホワイトラングドシャクッキーではないこと。ショコラクランチとある。

f:id:terrortwilight:20160508163446j:plain

名前も正確には「宮崎の初恋クランチ」になっているようだ。

f:id:terrortwilight:20160508163602j:plain

イラストがモアイと高千穂峡なのは宮崎の恋人と同様。四隅のマンゴーと(たぶん)宮崎地鶏も健在だ。

f:id:terrortwilight:20160508163342j:plain

裏面。長登屋系の恋人は箱に直接プリント、ビニールでコーティングしているものが大半だが、こちらは紙でくるんでいてコーティングがないパターンだ。

f:id:terrortwilight:20160508163436j:plain

販売者は九州産商株式会社。ただ鹿児島県の営業所の住所がある。宮崎じゃない…。

f:id:terrortwilight:20160508163959j:plain

包み紙をはがすと真っ白い箱で、

f:id:terrortwilight:20160508164033j:plain

f:id:terrortwilight:20160508164049j:plain

個別のパッケージにはChocorat Crunch♥︎だけ書かれている。ここで恋人要素は消える。

f:id:terrortwilight:20160508164158j:plain

クッキークランチにホワイトチョコレートがかかっている。

f:id:terrortwilight:20160508164235j:plain

表面にほんのりかかっているくらい。味はすこしビターで、思ったよりも上品な味わいだった。

長崎の初恋

宮崎の初恋は、宮崎の恋人から派生したもの(誰かの想いが形を伴って現れたもの)だが、これは初めから初恋のみが存在している。対象となる相手は存在しない。

f:id:terrortwilight:20150926163426j:plain

長崎の教会をイメージしたステンドグラス風。長登屋系とは一線を画している。

f:id:terrortwilight:20150926163518j:plain

が、ラングドシャクッキーなのは同様。

f:id:terrortwilight:20150926163758j:plain

なかには

数多いおみやげの中より当社製品をお買い上げ頂きまして有難うございました

 と書かれたメッセージカードが入っていた。

f:id:terrortwilight:20150926163832j:plain

f:id:terrortwilight:20150926163841j:plain

中身のクッキーだが、サイズは長登屋よりも一回り大きく厚め。だが本家はより大きく薄い。味も(長登屋系にも言えることだが)なんでこう本家と遠ざかってしまうのか不思議だ。

琵琶湖の初恋

すでに関西にいる恋人を紹介した際、うまい棒の恋人のなかのひとりだったのがこれ。もともとはこちらが先なのだけど。他の並み居る関西の恋人に混じって恋人面している、面の皮の厚さを感じる。

f:id:terrortwilight:20160508170046j:plain

見た目はスタンダードな長登屋系なので、別に恋人じゃなくて初恋でもいいのだが…。名前を変えた理由で考えられるのは登録商標の問題なのだが、ここを見たところでは「琵琶湖の恋人」「びわ湖の恋人」「びわこの恋人」については検索結果に出てこなかった。じゃあなぜなのだろう?

f:id:terrortwilight:20160508170212j:plain

いつもの長登屋系ではハートマークになっている部分が、琵琶湖の形をしている。ダメ押しでL❤︎VEの文字入りだ。しかし、琵琶湖って琵琶に形が似ているからそう呼ばれるようになったと聞いていたが、よく考えるとそのころどうやって湖の形を把握していたのか? 滋賀県が作った琵琶湖ハンドブックによると

 当初から琵琶湖と呼ばれていたのでなく、最初「琵琶の形に似たり」という字句が文献『渓嵐拾葉集』に登場したのは14世紀初頭のことである。それまでは琵琶湖のことを近淡海・淡海、水海、湖、近江の海、細波、鳰の海などと呼ばれていた。
 湖の名前が琵琶に典拠するのは、湖上に浮かぶ竹生島にまつられた弁才天である。弁才天はもともとインドのヒンドゥー教に登場するサラスバァーティーという女神で、弁才天・妙音天・美音天などと漢訳されている。弁才天は楽器琵琶をもつ二臂琵琶弾奏像で水を守る神、仏法を守る神としてインド、中国を経て奈良時代に伝教伝来とともに、日本に導入されたのである。
 弁才天の持つ琵琶が、どうして湖の形状に似ているといわれるようになったのであろうか。前出の『渓嵐拾葉集』の編述者は、比叡山延暦寺の学僧光宗であるが、おそらく眼下に広がる湖を日々眺望して、楽器琵琶から湖の形状を観想をしたに違いない。上空から見ることのできない時代に、驚くべき洞察力といえるだろう。

 延暦寺から見える一部の形から想像して…ということか。でも弁財天を祀っていたから、琵琶への発想は容易だったと思われる。

f:id:terrortwilight:20160508170253j:plain

これは琵琶湖遊覧船?

f:id:terrortwilight:20160508170256j:plain

こちらは琵琶湖大橋。東日本出身の人間としては琵琶湖といえば鳥人間コンテストなので、琵琶湖大橋は「越えられない壁」のイメージだけがある。スキージャンプのK点みたいな。

f:id:terrortwilight:20160508170151j:plain

長登屋ではあるのだが、社名だけでなく人名が入っているレアケース。

f:id:terrortwilight:20160508170108j:plain

裏面は長登屋系スタンダード。

f:id:terrortwilight:20160508170458j:plain

個包装は初恋バージョン。恋人だと個包装はKOIBITOと書かれた共通パターンなのだが、別仕様となっている。HATSUKOIでごまかすのではなく、しっかり「琵琶湖の初恋」と書かれているのは好感が持てる。

f:id:terrortwilight:20160508171012j:plain

f:id:terrortwilight:20160508171104j:plain

中身は何のひねりもない長登屋系。