全国の恋人たち(7) 野球場にいる恋人たち

もともとは地方の観光地の土産物屋でたたずんでいる存在だったはずだが、どこかで時空が歪んでこういう恋人が生まれる。

どあらの恋人

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中日のあいつが大フィーチャーされている。ただでさえ白い恋人の影響下にあるのに、さらにどあらときて、人のふんどしで相撲を取る感がさらに増すのだが、よーく見ると

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中日ドラゴンズのコピーライト表示が入っている。

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箱の横にも中日球団承認とある。

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長登屋系の中でも、JR西日本と組んだ大阪環状線の恋人とかと同じく、企業コラボしたものだ。それにしても、中日には仁義を切るが、石屋製菓には仁義を切ってなるものかという、静かだが力強い自己主張を感じる。

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個包装にはちゃんとどあらの恋人と書かれていて、妙なやる気を感じる。

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味はプレーンな王道の長登屋系。

ベルの恋人

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まずベルって何だっけ…?というところからはじまる。

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よーく見ると、オリックスバファローズのコピーライトが入っている。ベルの正式名称(?)はバファローベルオリックスバファローズのマスコットを、兄のバファローブルとともに務めている。愛嬌たっぷりの優しい妹らしい

プロ野球という文脈を超えてメジャー級ゆるキャラの座をキープしていたどあらに比べると、知名度が劣るのは否めない。それを考慮したのかはわからないが、

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グローブとバットとボールが描かれていて、自分のルーツは野球にあることを強調している。地方PRのお役所ゆるキャラとは違うのだというアピールだ。

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販売者はカタカナのナガトヤ。長登屋は大阪と東京のみ社名がカタカナになっている。謎だが、あまり深く考えないことにする(たいがいこういうのは意外とささいなどうでもいい理由のことが多かったりするので)。また、ここにはバファローズ承認シールが貼ってある。「※ストロベリーパウダーは全重量の0.45%を使用しております。」という注意書きもある。そういえば、ストロベリーラングドシャって書いてあった。ただ、全重量の0.45%使用とあっても、それが「意外と多めに入れました!」なのか「期待よりも少なめです、すみません」なのかがさっぱりわからない。

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このあたりは長登屋系の王道。どあらは違ったのに、こちらの個包装のデザインはどストレートな長登屋系だ。

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赤い。ほんのりストロベリー味が甘ったるくもなくていいと思う。

そして、さらにこの路線を追求していくとこうなる。

カープの鯉人

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広島東洋カープのキャラクター、カープ坊やがフィーチャーされている。もうここには恋人はおらず、「鯉人」しかいない。なので厳密にいえばここで取り上げるべきものではないのだが、あえて入れてみた。やはり半魚人的な何かなのだろうか?

カープ坊やカープのロゴが目立つが、この右上と左上の鯉のあしらいがいい。また、よく見ると背景に目とうろこがあり、全体で鯉のぼりを思わせるデザインになっているところが面白い。長登屋コラボ系のなかでは、出色のデザインではないか?カープにはもうひとり、スラィリーというキャラがいるはずなのだが、カープ坊やで正解だった。ネーミングも、カープ坊やの恋人って想像できない!というところから「鯉人」になったのかもしれない。スラィリーだったら「恋人」になっていたはずだ。

カープのコピーライトは側面に貼られたシールにあった。

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中日もオリックスも前面にあったけど、ないほうがすっきりしてていい。

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はいはいこれも販売者は長登屋ねーってスルーしようとすると、まさかの長崎屋だったりするので気を抜けない。長崎屋?といえばサンバードのイメージだけど、広島に別のがあるのか。

創業明治25年って、わりと老舗だな…

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裏面の問い合わせの電話番号をチェックすると、ほかの長登屋と同じ番号だったりする。実質長登屋が作って、広島の土産物の販路を持つ長崎屋に売ってもらってるのだろうか?

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赤い!カープカラー!長登屋統一フォーマットじゃないし、ここもがんばってる!

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肝心の味は普通の長登屋テイスト…。

 

全国の恋人たち(6) 大阪にまだいた恋人たち

大阪のくくりには入れなかったものを補足。恋人の聖地というのがいつの間にか全国にたくさん存在しているのは最近知ったが(2016年1月15日現在138あった)、それでもなお、大阪こそが恋人の聖地であると言い切れる。

大阪環状線の恋人

f:id:terrortwilight:20150926185555j:plainブームが一巡した後で生まれた恋人がいた。パッケージは長登屋系なのだが、これのミソはここにある。

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JR西日本の許諾を取っているということだ。実際、JR西日本のプレスリリースもある。

JRの許諾を取っただけで、もちろん石屋製菓の許諾を取っているという記述はない。

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やはり長登屋。

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味はホワイトチョコなので、他の長登屋系と変わらず。ただ、この大阪環状線の恋人が好評だったのか、JR西日本は再び悪のりに手を貸す。

黄色い恋人

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それがこれだ。ドクターイエローなので、もはや郷土色は失せている。

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許諾済。

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長登屋なのでほぼフォーマット通りだが、黄色い恋人だから、中のチョコはレモンチョコ味。ほんのりした酸味がいい。ホワイトチョコばかりだと食傷気味なので…。

ちなみに販売元は長登屋なのだが、

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上の方に「企画元 株式会社 立誠社」とある。この立誠社(https://www.risseisha.co.jp)、大阪に本社のある会社で、ここがやっているオンラインショップは

鉄道グッズを売っている。長登屋、立誠社、JR西日本と出会うべくして出会った3社のコラボだ。相変わらず石屋製菓の名はないが。ドクターイエローJR東海のイメージあったけど、西日本所属のものらしい。

JR西日本博多総合車両所に所属し、T5編成と呼ばれる。2005年3月上旬にそれぞれのメーカーから陸上および海上輸送により博多総合車両所に運ばれた。
(中略)
総合車両所所属でありながら普段は東京に常駐しているため、保守を容易にするため台車もT4編成と同一にしてある。また、定期検査はJR東海に委託し、交番検査が東京交番検査車両所、台車検査・全般検査が浜松工場の施行となっている

ドクターイエロー - Wikipedia

うまい棒の恋人

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さらにいろいろコラボを進めるとこういう謎の代物が生まれる。なんというかすごくハイコンテクストというか、いろいろな要素が詰まりすぎていてわかりづらい?

白い恋人

面白い恋人

大阪の恋人をはじめとする全国各地の恋人

ラングドシャクッキーじゃなくて、うまい棒で作るのはどうか?

うまい棒の恋人」にすると地名と結びつかないからお土産にはしにくいな…

関西圏で売ってるものをひとつにまとめて関西限定にすればええんや!

のような流れが容易に想像できる。

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側面には「©やおきん」の文字がある。うまい棒の本家やおきんには許諾を得ているようだ。そこはちゃんとしてるんだ?だったら最初から「©石屋製菓」入れとけよ!と思うがいまさらそれはできないのだろうか?

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中身はラングドシャクッキーではなく、完全なうまい棒。それぞれ

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大阪の恋人に、

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(神戸)元町の恋人、

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奈良の恋人、

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和歌山の恋人、

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京都の恋人

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(恋人ではないが)琵琶湖の初恋の6種類が入っていた。それぞれすでにラングドシャクッキータイプで販売されていたものだ。中身を取り出して、あれ京都が多いな…と思っていたら

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どうやらランダムに入っているとのこと(全部で18本)。カウントしてみると

  • 和歌山の恋人 2
  • 大阪の恋人 3
  • 元町の恋人 4
  • 奈良の恋人 3
  • 琵琶湖の初恋 2
  • 京都の恋人 4

という結果となった。ランダムとはいえ、関西圏における観光地のパワーバランスを完璧に保っている。いつもこの割合で入っており、滋賀や和歌山への遠慮からあえてランダムですよと言い訳をしているように邪推してしまう。

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味はシュガーラスク味。うまい棒はしょっぱいイメージのほうが強いのだが、恋人の名をつけるなら、甘くないと許さん!ということなのか?大阪にあわせてタコ焼き味とかという手もあるわけで。もはやどこにどうこだわりがあるのかが、外部からはうかがい知ることができない…。で、この味は、やおきんが出しているうまい棒シュガーラスク味と同じものと思われる。甘さが絶妙で、そこはかとない穀物の塩気を感じる。やおきんグッジョブ。

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うまい棒のほかの味と違って、大きな穴が空いてない。これはやおきんのシュガーラスク味と同じ仕様だ。

うまい棒シュガーラスク味に穴が開いていない意外な理由│カロリーはどれくらい? | うのたろう小説ブログくろおと